Sweet Rain

日々のあれこれ、たまに詩

ショーケン 死す

萩原健一が死んだ。2歳年上だった。

学生時代、毎日酒ばかり飲んでいた頃、「傷だらけの天使」を見るために、放映の日だけは家にいたのを思い出す。騒乱の時代から高度経済成長の時代になり、かつての全共闘の闘士が、いつのまにか、24時間働く企業戦士になっていた頃のはなしだ。ショーケンはそんな時代をとんがったまま走り抜けているように見えたのだ。

生活のためとはいえ、仕事をしながら、己のとんがった部分をてなづける方法を獲得していった私たちには、ショーケンはとてもかっこよく見えた。

だが、平成になって、周囲が徐々に曖昧で微温的になり、個々の顔が見えずらい世の中になって、とんがったままの人はとても生きずらくなったと思う。おそらく、ショーケンも例外ではあるまい。

「人は時代と共に死ぬ」と誰かが言っていたように、昨年から今年にかけて、時代と併走していた様々な人が亡くなった。私が若い頃、夢中になった作家やアーティストも、ほとんどが鬼籍に入った。

そして、ショーケンは、平成の最後を、みごとに駆け抜けていったのだ。