Sweet Rain

日々のあれこれ、たまに詩

MEMORIES 2 (台湾十份 2012)

 

十份の駅で

願いを書いた赤い天燈が

空にあがってゆく

万券連取などという

くだらないことも書いてしまったけど

心の空白にひそむ

旅への思いが通じたのか

台湾は雨の降る季節なのに

今日はよい天気だ

 

昨日は辛い火鍋を食べ

台湾ビールを飲んだ

酒場の喧噪のなかで

異国語に囲まれ

薄っぺらなプライドが溶けてゆく

 

いつものようにのんびりと

やってゆけばいいのさ

消えてゆく天燈をみおくり

ちいさな声でつぶやく

 

ところで

日本で待っている犬は元気かな

(きみの健康は特にお願いしておいたけど)

 

 ◆犬はウェストハイランドホワイトテリアのオスで当時十三才。帰国して一週間ぶりにあった時は、なぜか妙によそよそしかった。おいていってごめんね。

 

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(十份であげた天燈。ちょっと俗っぽかった。)