時は流れて
私の指は氷のように
冷たくなった
隠された復活の碑はひびわれ
何も見えない深夜の森で
動物の形をした魂を
降りしきる雪に埋めてゆく
(きっといつかは
生まれ変わってくるんだろう きみたち)
そこには
ずいぶん前にいなくなった犬もいて
遠ざかる雷鳴を身にまとい
なくしたものを捜し続け
ひからびた井戸を掘り返し
砕け散った思い出のかけらを拾いあつめ
古いキャンバスにはりつけてみる
聞こえてくる切れぎれの旋律に耳をすまし
私は
なつかしい火の時代に
はっきりと別れを告げたのだ