Sweet Rain

日々のあれこれ、たまに詩

憂うつな一年 2022年を振り返る

客 久しぶりだね。なにかさえない顔をしてるね。今年はどうだったの?

主 やあ、一年ぶりだね。今年は2月に平和の祭典といわれている冬季五輪が北京であって、その後、ロシアのウクライナ侵攻があった。平和といわれているものが、いかにもろいものなのかが、その時、明らかになったよね。そして、ウクライナの人々に対して、彼らが必要としているときに、私たちが何もできないということがとてもつらかったよ。

客 まあ、世界情勢はどうしようもないとして、君の生活は?

主 これも最悪だった。3月にフィッシィング詐欺にあって、大変な思いをした。幸いにカード会社が適切に対処してくれて、実害はなかったんだけれども、こんなことにひっかかるなんて、という自分に対する幻滅は半端じゃなかった。まあ、普通に年寄りになったということだよね。その後すぐ、家の水回りとか、レンジフードとかが壊れて、一挙に不幸が押し寄せたと感じたんだ。全ての不幸が自分にむかってきたような感じだった。実際は築25年を過ぎた家は壊れるよね。そういう客観的な判断力がなくなっていて、悲観的な観念にしばらくとりつかれていた。まあ、普通にうつ状態だったと思う。

客 それは大変だったね。ところで、50年ぶりに旧友に会ったんだって。

主 そうそう。7月に高校時代の同級生たちに札幌で会ったんだ。しかし、みんな年を取ったよね。ただ、50年前の雰囲気は失っていなかったけどね。私たちにとって、1970年はなんだったんだろうね。あの時、ものすごい熱量があったのは間違いないけど。

客 まあ、なつかしさを大事にするのは年をとった証拠だね。ところで、今年はどこかへ旅行したの?

主 10月の末に妻の西国巡礼に付き合って、兵庫県の寺を巡った。特に浄土寺の快慶の阿弥陀三尊像はすばらしかった。見る最適の条件があるのだが、今回は残念ながら、そこにいたらず。ぜひ、黄金に輝く三尊像を見たいものだ。

しかし、兵庫県のお寺は、円教寺日比野克彦朝顔のプロジェクトをやっていたり、播州清水寺せんとくんの作者とコラボしていたり、お寺がずいぶんアートと近しい関係にあったりしてびっくり。これがあたらしい仏教の形なのか。

その時泊まった、有馬温泉も良かったよ。

客 そういえば、畑のほうはどうだったの。

主 今年は大豊作。キュウリもトマトもきっと農家並みにとれたと思う。天候が良いと、こんなことが起きるんだよね。来年もこうであればいいんだけど。

客 君の好きなBABYMETALがいよいよ新曲を発表したね。

主 コロナのパンデミックの中で、BABYMETALを知ったからこそ、この2年間を生き延びれたような気がしているんだよ。詩にも書いたけど、彼女たちの歌を聴くとなぜか涙ぐんでしまうんだよね。きっと、生きようとしている気持ちが同じ方向を向いているんだと思うよ。まあ、彼女たちには関係のないことだけどもね。

客 ちなみに来年はどうするの?

主 現実はなにも変わっていないので、畑をやり、音楽を聴き、本を読み、たまに競馬をやり、すこしだけ酒を飲む、といったところかなあ。あと、何年か前に思ったことだけど、近くのJRの駅を日帰りで旅してみたい。家に閉じこもるのは、得意じゃないので。

新型コロナがおさまれば、もう少し活動の幅を広げたいと思うけれど、こればかりはウィルス次第だ。

客 なんだかんだ言って、もう70台だよね。

主 うーん。あと何年生きるのかね。心を閉ざすのは好きじゃないので、なんとか楽しい年にしたいよね。きみも体に気をつけてね。