1
きみがいなくなって
何年がたったろう
その間の私といえば
心がやせ細り
酒ばかり飲んでいた
ようやく雪がとけ
何度目かの春がきても
私の心はからっぽのままだ
2
きみはいまどこにいるのだろう
やさしい春の陽ざしを求めて
どこかの街を
歩いているのだろうか
心を閉ざすことからはじめて
徐々に体が回復してゆく
一歩一歩 歩きながら
違う自分を発見することは
大切なことなのだ
3
まるでけがをした競走馬のように
ゆっくりと立ちあがり
行くあてもなく歩き出す
(その道はどこに続いている?)
4
いつか どこかで
きみにあいたい
ほとんど不可能だとしても
きみの声にいやされたい
輝かないあしたにむけて
ぼんやりと見える
ひとすじの道を歩いてゆくためには
きみの声が必要なのだ
たとえ それが
幻だとしても