Sweet Rain

日々のあれこれ、たまに詩

ちいさな砂糖菓子の食べ方について 3

春がきて

砂糖菓子のほのかな甘さが

郷愁を

はこんでくる

 

幾度となく水面をたたき

なつかしい記憶を

ふるいたたせる

 

川縁に

わずかにかげろうがたち

昔 愛した人と訣別する

 

まだ 生きていかねばならないらしいから

あたたかい日ざしに身をゆだね

さびついた言葉を捜す

 

(まるで

 年老いて

 やせほそった

 オオカミのようだね)

 

気がつくと

川の中で

あれほどあざやかだった光が

見えなくなった

 

ゆっくりと歩いてゆけばいいのだ

ここちよいうたたねのあとで

時間の流れが反転するまで